以前、こんなツイートをしました。
https://x.com/YUICHIRO_Ya/status/1522480490938179584
大企業は、決裁に時間がかかるが、一度決裁してしまえば、そこから遂行まではとても速い傾向があります。逆に中小企業の場合、決裁までは非常に速いのですが、そこからそれを遂行するのに時間がかかる傾向があるのです。
では、なぜそのような違いが生まれるのか。
「決裁」の違いについては、単純に組織体制の違いによるところが大きいと思うのですが、今回お話したいのは、「遂行」の違いについてです。
なぜ大企業は遂行が早く、中小企業だと時間がかかってしまうのか?
私はずっと、「予算や人的なリソースの差」によるものだと思っていました。もちろん、それもあるとは思いますが、実はもっと大きな原因があると、最近感じるようになったのです。
それは、「絶対的な締切の有無」です。
大きな会社の場合、例えばWebサイトのリニューアルや広告物の制作が決まったとすると、ほぼそれと同時に「絶対的な締切」が設定されます。関係する部署との調整があったり、厳密な予算計画があったりするので、先に締切を決める必要があるのです。そして、決められた締切は、よほどの理由がない限り、死守しなければなりません。
一方で、中小企業の場合、この「絶対的な締切」がないことが多いように感じます。そもそも「締切」自体が設定されていなかったり、あったとしても「目安」レベルで、それを死守するような雰囲気はなかったりします。
そのため、目の前の業務が忙しかったりすると、締切のないプロジェクトは後回しになり、なかなか遂行できないという事態に陥るのです。
締切が “柔軟” であることは、それを遂行する社内外のスタッフからすると、正直ありがたいことではあります。しかし、その “柔軟さ” が、「遂行力の差」につながっているのだとすれば、大きな問題かもしれません。
やると決まったことがなかなか遂行されないことによる機会損失は、目に見えにくいだけで、決して小さくありません。また、時間の経過とともに環境が変化して、遂行する前に軌道修正が必要になることもあります。そうなると、それまでにやってきたことは効果検証もできずに、無駄になってしまうのです。
正直私も、「絶対的な締切」に対してはネガティブな印象のほうが強かったのですが、企業のマーケティングや成長を考えると、ある種、“必要悪” のようなものなのかもしれないと思うようになりました。