ビジネスを成長させるためには、市場シェアを拡大していかなければならないことは明白です。しかし、どうやったら市場シェアをもっと拡大できるのか。それは、多くの経営者が抱える共通の悩みだと思います。
そこで今回は、市場シェアに大きな影響を及ぼす4大要素について詳しく解説します。これらの構造を理解できれば、自社がとるべきマーケティング戦略もおのずと見えてくることでしょう。
市場シェアが重要な理由
市場シェアとは、自社の商品・サービスの売上高(あるいは販売数量)がその市場全体のなかで占めている割合のことを指します。マーケットシェア、市場占有率などと呼ぶこともあります。
マーケティングを行ううえでとても重要な指標ですが、業種によっては、自社の市場シェアを正確に把握することが難しい場合も多くあります。
なぜなら、市場シェアを算出するには、自社の売上高(あるいは販売数量)と市場全体の総売上高(あるいは総販売数量)が必要なのですが、後者の情報はオープンになっていないことが少なくないからです。
そんな理由もあってか、自社の「売上」や「利益」は気にするけど、「市場シェア」はあまり気にしていない経営者が少なくないように感じています。
しかし、市場シェアは、マーケティングを行ううえでとても重要な指標です。なぜなら、売上や利益は、自社内の絶対的な数値であるのに対し、市場シェアは、競争環境における相対的な数値だからです。つまり、市場シェアを意識することで、ビジネスで重要な「自社」「顧客」「競合」という3者の関係を意識するようになるのです。
たとえ正確な市場シェアはわからないとしても、入手可能なデータを組み合わせることで、ある程度推計できる場合もあります。大切なのは、「市場シェアを拡大する(つまり、顧客が競合ではなく自社を選ぶ確率を上げる)」という意識を持つことです。
市場シェアに影響を与える4大要素
では、その「市場シェア」を決定づける要因は何なのか。そこに、市場シェアを拡大するためのヒントがあるはずです。
これについては、さまざまなマーケティング関連書籍のなかでも度々語られてきました。書籍によって主張が異なる部分もありますが、本質的な部分はおおむね同じだと思っています。
名著と言われるいくつかの書籍のエッセンスを総合しつつ、私なりの視点も交えて整理すると、以下のようになります。

専門書ではカタカタの難しい用語で語られることが多いのですが、この記事ではできるだけわかりやすい言葉で説明したいと思っています。ちなみに、「ブランド想起」と「購買意向」は、よく使われるマーケティング用語ですが、「ブランド遭遇」と「購買遂行」は私が考えた造語です。
それでは、各要素について詳しく解説したいと思います。
ブランド想起

市場シェアを拡大するためにはブランド(商品やサービス)の「認知度」を上げなければならない。そう言われることが多いのですが、私はあえて「認知」ではなく「想起」という言葉を使いたいと思います。
ブランド認知とブランド想起
「認知」と「想起」の違いはわかりますでしょうか?
言葉の定義は人によって異なる部分もありますが、一般的に「認知(特に認知度)」と言うときは、「そのブランドを知っているかどうか(知っている人の割合)」を指します。しかし私は、そのブランドを知っているかどうかよりも、そのブランドを想起できるか(思い出せるか)どうかが重要だと考えています。
「マクドナルド」と聞いて、「知ってるよ、ハンバーガーのお店でしょ」と答えられること(認知)も大切ですが、「ハンバーガーのお店と言えば?」と聞かれて、「マクドナルド!」と想起できることのほうが重要だということです。
これを専門用語で「純粋想起」や「ブランド再生」などと言うこともありますが、ここではシンプルに「ブランド想起」と呼びたいと思います。
ブランド想起は3軸で考える
上の説明だけでも、「ブランド想起」の意味はなんとなく理解できたと思いますが、実際にマーケティング戦略としてブランド想起を強化するには、もっと分解して深く理解する必要があります。
私は、ブランド想起を下記の3軸で考えるようにしています。

この3軸をそれぞれ伸ばしていき、ボックス(直方体)の体積を広げていくイメージです。それでは、それぞれの軸について、詳しく説明します。
1. ブランドを想起できる人の割合
市場シェアを拡大するには、まず多くの人にその商品やサービスのことを知ってもらわなければなりません。そして、「ハンバーガーのお店と言えば→マクドナルド」のように、ブランドを想起してもらう必要があります。
つまり、「ハンバーガーが食べたいなぁ」といったような、購買につながる状況が訪れたときに、自社のブランドを思い出してもらい、購買の選択肢に入れてもらうということです。
商品カテゴリーにもよりますが、そもそもブランドを想起できなければ、そのブランドが購入される可能性は限りなく低くなります。ですので、市場シェアを拡大するためには、まずその市場のなかで、つまりターゲット顧客のなかで、ブランドを想起できる人の割合を増やしていかなければならないのです。(「商品カテゴリーにもよりますが」と断った理由は後述します)
2. ブランドが最初に想起される確率
ブランドが想起されたからといって、必ずそのブランドが選ばれるわけではありません。なぜなら、想起されるブランドの数はひとつだとは限らないからです。
「ハンバーガーのお店と言えば?」と聞かれて、想起されるのは「マクドナルド」だけでしょうか? 「ロッテリア」や「モスバーガー」も想起した人が少なくないのではないでしょうか?
そこで重要になるのが、最初に想起されることです。これをマーケティング用語では「第一想起」といいます。
いくつかのブランドが選択肢として想起されたとき、最初に想起したブランドのほうが2番目以降に想起されたブランドよりも最終的に選ばれる可能性が高いのは当然です。商品によっては、最初に想起されたブランドを迷わず購入することも少なくありません。
そのため、市場シェアを拡大するには、できるだけ最初に想起される確率を上げる努力をしなければなりません。言い換えると、「◯◯と言えば✕✕」という想起を強くするということです。その市場のマーケットリーダーになるとも言えます。
逆にこれができなければ、ビジネス環境は年々厳しさを増し、価格競争に陥ることになるでしょう。
横軸の「ブランドを想起できる人の割合」を増やすのと当時に、縦軸の「ブランドが最初に想起される確率」を高めていくようにしましょう。
3. ブランドが想起される状況の数
少し分かりづらいので、再びマクドナルドを例に出して説明します。
例えばお昼時に、「ハンバーガーが食べたいなぁ」と思ったとします。これが「状況」です。購買につながる「機会」や「きっかけ」と言ってもいいでしょう。
このときに「マクドナルドにしようかな」とブランドを想起してもらえることが重要だという話はしました。しかしそれだけでなく、このような「ブランドが想起される状況」自体の数を増やすこともまた重要なのです。ここで言う「数」とは、ある特定の状況の「頻度」のことではなく、状況の「種類」のことです。
「友達とコーヒーを飲みながらおしゃべりしたいなぁ」
「さくっと外で朝食をとりたいなぁ」
「子供が喜ぶところに連れて行きたいなぁ」など
このように、マクドナルドというブランドが想起される「状況」はひとつではありません。さまざまな「状況」でブランドを想起してもらえるということは、そのブランドの購買機会が多いということです。購買機会が増えれば、当然市場シェアも拡大します。自社のブランドがまだ想起を獲得できていない「状況」がないか、ぜひ一度考えてみてください。
ブランド想起の優先順位
繰り返しになりますが、ブランド想起を強化するためには、単純に想起できる人の数を増やせばいいわけではありません。「ブランドを想起できる人の割合」「ブランドが最初に想起される確率」「ブランドが想起される状況の数」をそれぞれ伸ばしていくことで、市場シェアが拡大でき、強いブランドを形成できるのです。
ただし、「ブランドが想起される状況の数」を増やすのは、「ブランドを想起できる人の割合」と「ブランドが最初に想起される確率」を増やしたあとにすることをおすすめします。

まずは、確実に抑えたい「状況」をひとつに絞り、その「状況」で広く強い想起を確立しましょう。それよりも前に「状況」の数を増やしてしまうと、ブランドの特長がぼやけてしまい、強い想起の形成を阻害しかねません。
ブランド遭遇

前述したとおり、「ブランド遭遇」は私が考えた造語です。
「ブランド遭遇」とは、そのブランドを事前に認知することも想起することもせずに、購買プロセスのなかで、たまたまそのブランドに「遭遇」することです。
「ブランド想起」と「ブランド遭遇」
「ブランド想起」の重要性は多くのマーケティング書籍で語られていますが、「ブランド遭遇」の重要性については、あまり語られていない印象があります。しかし、商品カテゴリーによっては、「ブランド想起」よりも「ブランド遭遇」のほうが圧倒的に重要である場合が少なくないのです。
例えば、あなたは起業したばかりの経営者だとします。起業して、まず会社のホームページを作ろうと考えたとき、どこの会社にお願いしますか? どこかの会社(ブランド)を想起できますか? どこの会社も想起できない経営者が多いのではないでしょうか。
想起できる会社がひとつもないのであれば、インターネットを使って「ホームページ制作 福岡」などと検索するでしょう。そして、その検索結果で「遭遇」した会社のなかから、発注先を絞り込んでいくはずです。
この場合、「想起」よりも「遭遇」できるかどうかが重要だと言えます。
ブランド遭遇の手段や、ブランド遭遇が重要になる商品カテゴリーについては、また別の機会に詳しく書きたいと思うので、今回は詳述を避けます。
ただし、ここで覚えておいていただきたいのは、商品カテゴリーによって「ブランド想起」よりも「ブランド遭遇」のほうが重要な場合があるということです。そしてその場合、市場シェアを拡大するためには、ターゲット顧客の購買プロセスのなかで、ブランドに遭遇する確率を上げる必要があるということです。
ポイントは「購買プロセスのなかで」という部分。そのカテゴリーの商品をまだ買おうとしていないタイミングで「遭遇」しても、あまり意味がありません。購買プロセスのなか、つまり、今まさに買おうとしているタイミングか、買うための情報収集をしているタイミングで「遭遇」することが大切なのです。
念の為の補足ですが、「想起」が重要か「遭遇」が重要かは、二者択一ではありません。重要度の割合が商品カテゴリーによって変わるだけです。つまり、想起のほうが重要な商品カテゴリーもあれば、遭遇のほうが重要な商品カテゴリーもあるし、さらには、どちらもほぼ等しく重要な商品カテゴリーもあるということです。
ブランド遭遇も3軸で考える
ブランド想起と同様に、ブランド遭遇も3軸で考えるようにしましょう。

まずは、その市場のなかで、「ブランドと遭遇する人の割合」を増やします。ターゲット顧客の購買プロセスを分析し、できるだけ多くの人がブランドを見つけられるようにするのです。代表的な手法には、リスティング広告やSEOなどがあります。
それと同時に、「ブランドと最初に遭遇する確率」を高めます。ほかのブランドよりも先に遭遇したほうが、最終的に選ばれる確率も高くなるからです。
先ほどのホームページ制作会社の例で言えば、「ホームページ制作 福岡」と検索した場合、1番上に表示される(最初に遭遇する)会社のほうが、2番目以降に表示される会社よりも、最終的に選ばれる可能性が高くなるということです。
「ブランドと遭遇する人の割合」と「ブランドと最初に遭遇する確率」を伸ばすことができたら、最後に「ブランドと遭遇する状況の数」を増やします。
「企業のホームページを制作してくれる会社」を探しているとき(状況)だけでなく、「ネットショップを制作してくれる会社」を探しているときや、「SEO対策をしてくれる会社」を探しているときなど、複数の「状況」で遭遇してもらえれば、その分だけ購買機会が増えることにつながります。
ただし、これもブランド想起と同様に、「状況」の数を増やすのは、他の2軸をしっかり伸ばしたあとにしたほうがいいでしょう。まずは、特定の「状況」に絞って、確かなポジションを確立するのです。
購買意向

「購買意向」とは、そのブランドの商品やサービスを買いたいと思う気持ちのことです。「購入意向」とも言います。
市場シェアを拡大したいのであれば、ターゲット顧客の「買いたい気持ち」を高めなければなりません。ここまでの文脈に沿って言い換えるなら、購買につながる状況で想起、あるいは遭遇したいくつかのブランドのなかで、自社のブランドが選ばれる確率を上げるということです。
当たり前のことを言っているように聞こえるかもしれませんが、それを実行に移すのは意外と簡単ではありません。なぜなら、実際にどうすれば「購買意向」を高められるかがわかりにくいからです。
購買意向を決定づける3要素
では、ターゲット顧客の「購買意向」を決定づけるものは何なのか。
もっとも重要なのは、そのブランドの「商品・サービス」です。より正確に言うなら、物理的な「商品・サービス」そのものだけでなく、「商品・サービス」に付随する「体験」全体と言ったほうがいいでしょう。この体験が、ターゲット顧客から見て競合他社のそれよりも魅力的なものでなければなりません。
さらに消費者は、常に「商品・サービス」と「価格」をセットで考えています。「価格」に対して「商品・サービス」の価値が高いのか低いのか。いわゆる「コストパフォーマンス」によって購買意向が決まるのです。
ただし、それだけではありません。
「商品・サービス」や「価格」そのものも重要ですが、それらがターゲット顧客にどう伝わっているかが重要です。つまり、広告や店頭、ホームページなどで、ブランドの魅力がきちんと伝わるような「コミュニケーション」をしているかどうかです。
「商品・サービス」「価格」「コミュニケーション」。これらが総合的に作用して購買意向を決定づけているのです。

このように考えれば、購買意向を高めるために何を改善すべきか、より具体的に見えてきたのではないでしょうか。
誰の購買意向を高めたいのか
「誰の」購買意向を高めなければ行けないのかを考えると、よりクリアにその手段が見えてきます。ここでおすすめしたいのが、以下の4象限で考える方法です。

縦軸は、上が「ブランドを想起した顧客」、下が「ブランドに遭遇した顧客」。
横軸は、右が「購買経験のある既存顧客」、左が「購買経験のない新規顧客」。
先ほど、商品カテゴリーによって想起が重要なカテゴリーもあれば、遭遇が重要なカテゴリーもあると書きました。同様に、商品カテゴリーによって、既存顧客の購買が重要なカテゴリーと新規顧客の購買が重要なカテゴリーがあります。要するに、すべての購買のなかで、既存顧客の占める割合が多いのか、新規顧客の占める割合が多いのかを見極めるのです。
このように分解すると、自社が特に注力すべきポイントが見えてきます。
例えば、「A:ブランドを想起した新規顧客」の購買意向を上げたいとします。この場合、まだ商品・サービスを利用したことがない人たちなので、購買意向に大きな影響を与えるのは、テレビCMなどの日常接点における「コミュニケーション」ということになります。
「B:ブランドを想起した既存顧客」であれば、購買意向に大きな影響を与えるのは、過去の購買体験です。また買いたいと思える「商品・サービス」だったのか。また買いたいと思える「価格」だったのかが重要になってきます。
「C:ブランドに遭遇した新規顧客」は、遭遇した接点(媒体)における「コミュニケーション」が重要です。例えば、リスティング広告のランディングページやWebサイト。あるいは、店頭における商品のPOPやパッケージなどがそれにあたります。
「D:ブランドに遭遇した既存顧客」も基本的にはBと同様に過去の購買体験が重要になってきますが、この場合、過去に購買したことがあるのに、ブランドを想起できなかったことのほうが問題です。どうすれば、購買につながる「状況」が再度訪れたときにブランドを想起してもらえるのかを考えるべきでしょう。
購買遂行

「購買遂行」も私が考えた造語です。読んで字の如くですが、そのブランドを買いたいと思った人が、実際にそのブランドの商品・サービスを容易に買うことができることを指します。つまり、「購買」という行為を「遂行」できるかどうかです。
購買遂行も3軸で考える

購買遂行も3軸で考えるようにしましょう。
まずは、そのブランドを買う可能性がある人のなかで、「物理的にそのブランドを購入できる人の割合」を高める必要があります。これを専門用語で「配荷率」とも言います。買いたいと思っても物理的に買うことができなければ、購買には当然つながりませんので、市場シェアを拡大することもできません。
次に、「アクセスのしやすさ」。物理的に購入できる人が、その商品・サービスに、より容易にアクセスできるようにするのです。「アクセスのしやすさ」とは、お店までの物理的な距離が近いことも当然ですが、お店のなかでその商品・サービスが見つけやすいことも重要です。また、わざわざお店に行かなくても、インターネットで購入することができれば、より「アクセスしやすい」と言えるでしょう。
最後は、「支払いのしやすさ」です。ターゲット顧客にとってできるだけ理想的な支払い方法を提供しましょう。考え方としては、買わない理由を排除することで、購買遂行の確率を高めるのです。現金払いだけでなく、クレジットカード決済やQRコード決済ができることを重視する人もいますし、一括払いだけでなく、分割払いができることを重視する人もいます。ここまで来た顧客の購買機会を逃すのはもったいないことです。可能な限り顧客が望む支払い方法を提供できるようにすることをおすすめします。
まとめ
ここまで述べてきたポイントを1枚の図にまとめると以下のようになります。

フレームワークとして覚えやすいように、「想遭意遂(そうそういすい)」という名前を一応つけておきます。※名前は重要ではありません。
これらのなかでどこに注力するべきかは、そのブランドの商品カテゴリーによって変わります。この場ですべての商品カテゴリーについて解説することはできませんが、どの商品カテゴリーでも、顧客の視点に立ち、顧客の声に耳を傾け、顧客の購買行動をしっかりと観察すれば、どこに注力するべきかは自然と見えてくるはずです。
また、市場シェアを拡大したいのであれば、競争相手(競合ブランド)がいることを忘れてはいけません。上図に示したポイントのうち、競合に負けているのはどこなのか。差をつけられる可能性があるのはどこなのか。常に競合との比較のなかで考えることも大切です。
参考文献
マーケティングの教科書とも言える『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版』には、「マインド・シェアとハート・シェアを着実に拡大している企業は、必然的に市場シェアと利益も伸ばすことになる」と書かれています。ここでいう「マインド・シェア」とは、特定の商品カテゴリーにおいて、最初にそのブランドを想起した顧客の割合を指します。また、「ハート・シェア」とは、そのブランドを最も購入したいと思っている顧客の割合です。つまり、「ブランド想起」と「購買意向」が市場シェアに大きな影響を与えるということです。
ブランド論の名著『戦略的ブランド・マネジメント 第3版』では、「ブランド認知には深さと幅がある」と書かれています。ブランド認知の深さとは、「消費者がブランドを再認したり再生したりする可能性」のことで、ブランド認知の幅とは、「ブランドがマインドに思い浮かぶ購買状況や消費状況の多様性」のことです。私が「状況の数」と表現したのは、まさにこの「ブランド認知の幅」のことです。
私が尊敬するマーケターの森岡毅さんの書籍『確率思考の戦略論』には、「戦略、つまり経営資源の配分先は、結局のところPreference(好意度)、Awareness(認知)、Distribution(配荷)の3つに集約される」と記されています。また、「プレファレンスは、主にブランド・エイクイティー、価格、製品パフォーマンスの3つによってい決定される」とも書かれています。表現や定義が異なる部分はありますが、これらの考え方がこの記事のベースになっています。
昨年出版された『ブランディングの科学 [新市場開拓篇]』には、「メンタルアベイラビリティとフィジカルアベイラビリティがブランドの市場シェア獲得の主たる推進力の両輪になる」という記述があります。メンタルアベイラビリティとは、「購買状況下でブランドが想起されやすいこと」を指し、フィジカルアベイラビリティとは、「ブランドが見つけやすく買いやすいこと」を指します。またこの本では、ブランドが想起されるきっかけ(状況)のことを「カテゴリーエントリーポイント(CEP)」と表現しています。
『戦略的ブランド・マネジメント 第3版』でいう「認知の幅」や、『ブランディングの科学 [新市場開拓篇]』でいう「カテゴリーエントリーポイント」と同様の概念を、『ジョブ理論』では「状況」と呼んでいます。そして、「状況」は「ジョブ理論の根幹である」とも書かれており、その重要性をこの本から学ぶことができます。
2020年12月にM-Force株式会社と株式会社マクロミルが行った共同研究では、「NPI(次回購買意向)」が、「認知」や「好感度」などの従来のKPI以上に、マーケットシェア拡大との強い相関を示す結果が出たと発表されています。
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