2023/11/15

マーケティングのKGI(重要目標達成指標)は何か?

山下侑一郎

山下 侑一郎

2023/11/15

マーケティングのKGI(重要目標達成指標)は何か?

山下侑一郎

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2023/11/15

マーケティングのKGI(重要目標達成指標)は何か?

山下侑一郎

山下 侑一郎

前回のブログで、マーケティングの「目的」は中長期的な営業利益の拡大だと書きました。では、マーケティングの「目標」はどう設定するべきでしょうか。今回は、私が考えるマーケティングのKGI(重要目標達成指標)について解説します。

KGIとKPI

KGIとKPI

「KPIは知ってるけど、KGIという言葉は知らない」という人が意外と少なくありません。しかし本来は、KGIあってのKPI。まずしっかりとKGIを定める必要があります。

ちなみに、それぞれの言葉の意味は以下の通りです。

KGI:重要目標達成指標(Key Goal Indicator)
KPI:重要業績評価指標(Key Performance Indicator)

わかりやすく言い換えるなら、KGIは最終目標、KPIは中間目標となる指標のことです。つまり、最終目標であるKGIが決まらないことには、適切なKPIを設定することなどできないのです。

さらに、KGIよりも前に、「目的」を決める必要があります。なぜなら、KGIやKPIなどの「目標」は、その「目的」を達成するための指標だからです。

マーケティングのKGI

繰り返しになりますが、マーケティングの目的は何かというと、前回のブログで書いた通り「中長期的な営業利益の拡大」です。では、この「中長期的な営業利益の拡大」という目的を達成するための最終目標となる指標(KGI)は、何が適切でしょうか?

マーケティングのKGIは?

中長期的な営業利益額?

目的が「中長期的な営業利益の拡大」なのであれば、目標の指標も「中長期的な営業利益額」になると思うかもしれません。しかし当たり前ですが、中長期的な営業利益額は、中長期的にしかわかりません。つまり、中長期的にしか、成果を判断できないということです。

「目的」は「中長期的」なものであるのに対し、「目標」はある程度「短期的」なものでなければなりません。

今期の営業利益額?

では、「今期の営業利益額」を指標にするのはどうでしょうか? これも適切ではないと私は考えます。

例えば、商品Aの今期の営業利益額が前期比110%だったとします。これは、目的である「中長期的な営業利益の拡大」につながっているでしょうか?

仮にこのとき、商品Aの市場規模が前期比150%に拡大していたとします。すると、商品Aの市場シェアは前期より縮小していることになります。つまり、商品Aの市場競争力は弱まっており、中長期的には、営業利益が縮小する可能性も大いにあるわけです。

逆に、今期の営業利益額は減少したものの、市場規模も市場シェアも大きく拡大した商品Bがあるとします。このとき、商品Bの目的「中長期的な営業利益の拡大」は達成できそうにないといえるでしょうか? 商品Bの営業利益額の減少が、成長市場に対する積極的なマーケティング投資の結果であれば、市場シェアを拡大したことでネットワーク効果が働き、中長期的には営業利益が拡大する可能性も大いにあるでしょう。

これらの理由により、「営業利益額」は、マーケティングのKGIとして最適ではないと考えています。では、何が最適か?

市場規模&市場シェア

感のいい人ならお気づきだと思いますが、私が最適だと思うマーケティングのKGIは「市場規模」と「市場シェア」です。

マーケティングのKGIは市場規模と市場シェア

「中長期的な営業利益の拡大」が見込めるということは、つまり、「中長期的な事業の成長」が見込めるということです。そしてどういう状況であれば「中長期的な事業の成長」が見込めるかというと、ボストン・コンサルティング・グループが提唱した有名なフレームワーク『PPM分析』でいうところの「花形」。つまり、「市場規模」が拡大し、「市場シェア」も拡大している状況なのです。

PPM分析

「市場規模」と「市場シェア」。この2つこそが、中長期的な営業利益の拡大を目的とするマーケティングにおいて、最適な最終目標指標だといえるでしょう。

市場規模の拡大は難しい

ただし、市場規模を拡大するのは、簡単なことではありません。業種にもよりますが、そもそも外的な要因が大きかったり、市場規模を拡大するためのコミュニケーション投資は、その市場のリーダー企業でないと難しかったりします。

そのような特性もあり、マーケティングのKGIはシンプルに「市場シェア」にする場合が多いのが実情です。

市場シェアのメリットとデメリット

売上や利益ではなく、市場シェアをKGIにすることには、副次的なメリットがあります。売上や利益が自社内の絶対的な数値であるのに対し、市場シェアは、競争環境における相対的な数値です。つまり、市場シェアを目標指標として意識するようになれば、マーケティングにおいて重要な「自社」「顧客」「競合」という3者の関係を自然と意識するようになるのです。

ただし、市場シェアをKGIにするうえでの注意点(デメリット)もあります。それは、売上をKGIにする場合にも言えるのですが、「費用」の視点が入らないことです。広告費などのマーケティング費用を大量に使えば、一時的に市場シェアを拡大することは可能でしょう。しかし、それが戦略的で効果的な「投資」でなければ、「中長期的な営業利益の拡大」は見込めません。市場シェアというKGIは、あくまで、「中長期的な営業利益の拡大」という目的を達成するための指標であることを忘れてはいけません。

市場シェアがわからないとき

自社商品の市場シェアがわからないというケースもあるでしょう。たとえ正確な市場シェアがわからなくても、入手可能なデータを組み合わせることで、ある程度推計できる場合もあります。それでも難しい場合は、「営業利益額」などをKGIにしてもいいと思います。ただしその場合も、「市場シェアを拡大する(つまり、顧客が競合ではなく自社を選ぶ確率を上げる)」という意識は、常に持つようにしましょう。

またその場合は、「営業利益額」よりも「売上総利益額」のほうが、KGIとして適切かもしれません。中長期的な目的という意味では、最小のマーケティング費用で営業利益を最大化する意識が必要です。しかし、短期的な目標に「営業利益額」を使うと、必要以上に費用を抑える意識が強くなってしまい、中長期的な視点での適切な投資ができなくなってしまう恐れがあるからです。

KPIはもっと大切

冒頭で「KGIあってのKPI」と述べましたが、最終目標であるKGIは、基本的に直接コントロールできるものではありません。日々のマーケティング活動においては、中間目標であるKPIにより意識を向けることになります。そのため、KGIに連動する適切なKPIを設定することが重要となります。

KPIの設定の仕方については、今回のブログでは省略させていただきますが、以前書いた『市場シェアを拡大するためのマーケティング戦略』も参考にしていただけますと幸いです。

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山下侑一郎
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山下 侑一郎

福岡在住。フリーランスのマーケティング・プランナー。 広告会社「アサツー ディ・ケイ」を2018年に退社後、独立。現在は福岡の中小企業を対象に、Webマーケティング支援事業を行う。